あなたのキスはどこから?

まったり事後ヴァカアポ。どちゃくそ可愛いピュアな弟と大人なお兄ちゃん。そこそこ性的な内容もあるので背後に注意してください、(行頭空白空けとか改行とかめんどくさいのでやってないです)


事後の気だるい空気。ヴァッカリオは何回か口をパクパクさせて隣に寝転がるアポロニオを見た。

「ん? どうした?」
「あー、いやー……」

口ごもるヴァッカリオを手招きするとアポロニオは汗で湿った髪を優しく撫でた。

「何か気になることでも?」

その優しすぎる手付きと声音に、ヴァッカリオは身を委ねた。このまま寝てしまっても良いぐらいだ。

「できれば隠し事はなしにして欲しいが……もう、無理に聞き出したりしないから。いつでもヴァッカリオの話したいときに話してくれれば……」

手付きだけは優しく、声はあまりにも物悲しく。

「待って、待ってお兄ちゃん、ごめん、そんな重要な話じゃないんだ」

ヴァッカリオは慌てて兄の小さな体を抱き寄せた。
今の態度は完全にアポロニオのトラウマを刺激するものだった、とヴァッカリオは猛省した。
まなじりにうっすらと溜まりつつあった涙を指ですくいとる。

「あ~~……あのね、なんで、お兄ちゃんって、キスがあんなに上手なのかなって……」

体を繋げる前から、二人きりのときには啄むだけの簡単なキスも、舌を絡めあって熱をわけあうキスも、たくさんやってきた。

「上手?キスが?」

ヴァッカリオのたくましい腕の中で不思議そうな顔をする。

「そのぉ……ディープキスとかするとさ、すっごい腰にクる……」
「……ああ、たしかに、あのときのヴァッカリオは目を潤ませてかわいいとろけた顔をしているな」
「やめてよお兄ちゃん、恥ずかしい」

顔を覆って震えるヴァッカリオ、クスクスと笑うアポロニオ。

「お兄ちゃんは?おいらとキスしてて気持ちいい?」

恐る恐る、笑いに震える小さな頭頂部を見下ろして尋ねた。もし、これで「あまり……」などと言われたらさすがに落ち込む。

「もちろん、私だって気持ちいいよ、ヴァッカリオ」
「ほんと?」
「私が嘘をつけなくて隠し事もできない人間だって知っているだろ……っん」

少しだけ自嘲の響きが混ざった言葉を最後まで待たずにヴァッカリオは兄の小さな口を吸い上げた。

「んっ、ふ、はぁっ」

ヴァッカリオの分厚い舌がアポロニオの口の中を蹂躙するーーが、アポロニオはそれをしっかりと受け止めると、小さな口でヴァッカリオの舌をしゃぶり、裏筋を舌でたどりながら逆にヴァッカリオの口内へと浸入を果たす。

「んんっ、ぁん……も、そういうとこだよお兄ちゃん……!」

ぬるり、と舌を抜かれたあとに軽くチュッと口づけをするとこまで含めて、「そういうとこ」だ。
はっきり言って、腰が砕ける。

「ふふ、気持ちよくなってくれたか?」

そうやって淫靡に笑う兄は、少しだけ固くなりつつある弟の下半身に手を伸ばした。
さすがに、今からもう一回戦、は明日の朝に響きそうなので、伸ばされた手はヴァッカリオが責任を持って自分の手を絡めて押し止めた。

「そーゆーのさあ、どこで覚えたの」一回言葉を切って、ヴァッカリオは唸るような声で続けた「誰に教えてもらったの、お兄ちゃん……」

目をパチパチと瞬かせていたアポロニオは、急にヴァッカリオの頭を両手でかき混ぜると笑いだした。

「ははは!ヤキモチかヴァッカリオ!」
「~~~!わ、笑わないでよお!もう!」
「嬉し笑いだ、バカにしてるわけじゃない」
「でも恥ずかしいって!」

そう言ってぐずるヴァッカリオの額に優しくキスを落とすと、ヴァッカリオに向き合った。

「ヴァッカリオが恥をさらしたと言うなら、私もさらそう」

ヴァッカリオの心臓か音を立てて跳ねた。兄と恋愛話なんてティーンの頃からしたことなんてないし(自分がガキの頃、もうアポロニオは立派な大人だった!)、下ネタなんてあの清廉潔白なアポロニオの口から出るところを見たことも聞いたこともなかった。
兄のことなら全て余すことなく知っていたいという独占欲もあるが、知らないところで誰かと愛を育んでいたなんて聞きたくもない気持ちもある。

「そんな怖い顔をするな、イケメンが台無しだぞ」

それにお前が思ってるほど面白い話じゃないかもしれない、と告げてからアポロニオは口を開いた。

「その……AVやアダルト小説で勉強したんだ」
「え」
「そういったことにはとことん疎くてな……だが、せっかくお前とそういう関係を結んだのならお前に気持ちよくなってほしいと思って……」

ヴァッカリオは絶句した。
さきほとまでの独占欲も嫉妬も怒りも、太陽のもとに一瞬で消え果て新しく生まれ出るはただ愛おしいという感情。

「ほ、ほんとに?」
「本当だとも。……こんな情けない兄は嫌だったか?」
「まさか!全然!むしろお兄ちゃん大好き!!」
「はっはっは、誉めても甘やかすだけだぞ」

大好き、の言葉にパアッと顔を輝かせたアポロニオが小さな手でヴァッカリオの顔を優しく包み込むと鼻の頭に軽い口づけを落とした。
思わずくすぐったさに笑いつつ、お返し、と兄の顔にもヴァッカリオなりのキスを降らせる。

「ヴァッカリオはその、どこでこういったことを……?」

少しだけ不安の色をのせて尋ねてくる兄の体をきつく抱き締めると、自信満々にヴァッカリオは言いはなった。

「全部、お兄ちゃんに教えてもらった!」

そうだ、ヴァッカリオはこういうちょっとエッチなキスも、相手に愛を伝えるキスも、涙をぬぐうキスも、朝のいってきますのキスも、おかえりなさいのキスも、おやすみなさいのキスも、余すことなく全部。ぜーんぶ、兄と一緒に生きてきて、与えられた愛の分だけそれを勉強してきた。

「可愛いことを言ってくれるじゃないか」
「へへへ、ね、お兄ちゃん明日も早く帰って来てくれる?」

熱い吐息とともに、抑えきれない欲を吐き出す。

「もちろん、お前が望むのなら」

アポロニオはゆったりと笑みを浮かべると「愛しているよ、ヴァッカリオ」と言ってとても優しくて、暖かいキスをしてくれた。

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