ヤンデレヴァカアポ。うそ、ヤンデレじゃなくてただのキチガイ同士の会話です。頭おかしい感じなのでご注意を。
※完全にヤンデレ履き違えて本気でキチガイな感じなので注意してください
※食事中の方はご注意な感じのネタです
——————
仕事を終えて(今日もエリュマでパワフルワンを飲むだけの簡単なお仕事だった)帰宅したヴァッカリオは、自分のアパートの前で自室の異変に気付いた。一人暮らしのヴァッカリオの部屋に電気が点いている。家を出るときには消したはずだが……と不審に思い、静かに近づいてみれば夕飯の良い匂いが漂ってきた。
「あー……お兄ちゃんか……」
やれやれ、と首を振って玄関の扉を開ける。朝かけたはずの鍵は開けられていた。
「ただいま!もーお兄ちゃん!勝手に人の家入らないでよ!」
「おお、おかえりヴァッカリオ!」
ヴァッカリオの予想は的中。エプロンにおたまを持ったアポロニオが顔を輝かせて出迎えてくれた。
「この前、鍵かえたばっかりなのに……いつ合鍵作ったのさ」
「昨日作ったばかりだ!」
「いや、だめだからね?家主の許可なく合鍵作ったらだめだからね?」
鍵かえるのにもお金かかるんだから、とヴァッカリオがぼやけば、アポロニオは財布からかかった費用の十倍ぐらいのお金をポンと出してきた。……金額うんぬんより、現金をそんなにたくさん財布に入れておく方がヴァッカリオとしては心配だ。まあ、もらえるものはもらっておくとして。
「で、今日ご飯は何?」
「オムライスだぞ!」
「はいはい」
アポロニオはまだヴァッカリオのことを子供扱いしているので、オムライスやハンバーグといったものを好むと信じているのだ。もう30を過ぎた大人であって、そっちよりも酒のつまみになるような夕飯が良かったのだけれど。
そういうことを遠回しに言っても、直接言っても、あまり話が通じないので一度だけ、ヴァッカリオが本当にキレたことがあった。いくらなんでも、こちらの考えを無視しすぎではないか、と。そうしたら兄はきょとんとした顔で「お前の味覚が私好みになって他の食べ物をまずいと感じてくれるようになったら、一生私の料理しか受け付けなるかと思って頑張っている」と語ってくれた。
それを聞いたヴァッカリオはさすがにドン引きしたし、あまりの兄の愛の重さに呆れもした。が、そのアポロニオが照れながら言う姿が可愛すぎたので、まあそういうこともあるか、と思ってその場は流したし、それ以降料理に文句を言うことはなくなった。
幸いにして、ヴァッカリオの味覚はまだ破壊されていない。
「いただきます。……うーん、甘い」
「そうか、いつもどおりの味付けだからな」
「まだあきらめてないんだねえ」
呆れたような声音のヴァッカリオの言葉も、アポロニオの耳には誉め言葉として届くから不思議なものだ。
とりあえず、何とか重くて甘ったるい愛を食べきったヴァッカリオはごちそうさま、と手を合わせた。片付けまですべて兄がやってくれるので、ヴァッカリオは代わりにアポロニオの端末をチェックして、変な輩に誘われてないか確認する作業だ。
「ねえ!お兄ちゃん、この人さあ!」
それでいて、少しでも親しそうなやり取りがあったらアポロニオに聞いてみる。ふむ、どうやら仕事の絡みで今度食事でも、と誘われたようだが、もちろんヴァッカリオにしてみればNG行為だ。とは言え、仕事関連を完全にシャットアウトできるほど、アポロニオは下々の立場ではない。
仕方ない、とヴァッカリオはため息をついて、その人物を要報告リストに入れた。このリストにある人間から連絡が来たら、アポロニオは直ちにヴァッカリオに報告をしなければならない、と約束してある。
洗い物が終わって戻ってきたアポロニオに端末を返すと、アポロニオは何も確認せずにそれをリュックへとしまった。いつものことなので、慣れたものだ。
「今日、泊ってく?」
「お前が良ければ」
二人は恋人同士であるので、泊るということは、つまり、そういうことだ。隣に座ったアポロニオの腰を抱き寄せ、体を密着させる。アポロニオの洗い物を終えたばかりの少し湿った手が、ヴァッカリオの頬に伸びた。ヴァッカリオの顔を傾けるように力を入れると、アポロニオはじっとその瞳を見つめる。
「……昨日、お前はヴァンガードベースで差し入れを食べていただろう?あれは手料理ではなかったか?私は、それが気になって仕方がないのだが」
「いつから見てたのお兄ちゃん……そうだよ、この前アレイシアが助けた人でね。パティシエの卵だからって美味しいケーキを作ってきてくれた」
ぎ、とヴァッカリオの頬にあてられた指先に力が入り、皮膚に爪がめり込む。
「私の料理より美味しかった?」
「そりゃそうでしょ、お兄ちゃんの料理甘すぎなんだって……でも、おいら今日もお兄ちゃんの料理完食したよ?そこは褒めてよ」
「あの女のお菓子は?」
「おいらの好みじゃなかったからアレイシアたちがほとんど食べた」
そうか、と言ってアポロニオは手を外すと、嬉しそうに笑った。ヴァッカリオのへそあたりをゆっくりと撫でる。
「全く、お前の体の中に私が携わってないものが入っているかと思うと不快でたまらないが……物量で勝ったなら、まあ許してやらんこともない」
「お兄ちゃん、誰と何の勝負してるのさ……」
アポロニオの思考回路はやっぱりよくわからないな、とヴァッカリオは思った。たぶんすべては自分への愛なのだろう、とは思っているが。一時期は、その辺のデリカッセンですらアポロニオがキレ散らかしてヴァッカリオに殴りかかってくることもあった。どうやら吐かせようとしたらしい。その時ほど、ヴァッカリオは自分の方が兄より格闘技に秀でいて良かったと思ったことはない。
その辺は、結局「アポロニオがいつでも料理を作ってやれるほど暇ではないし、そうなるとヴァッカリオが餓死しかねない」という理由で何とか矛を収めてもらった。その代わり、ヴァッカリオが少しでも他人の手料理を食べようものならすぐに押しかけていてこうやって自分の手料理をがっつり食べさせてくれる。兄の愛が本当に重くて甘ったるくて、美味しい。
「あーあ、おいらも料理ができればなあ。……お兄ちゃん、おととい、英雄庁の人たちと会食したときちゃんと後始末した?」
「ああ……たぶん、できていると思う。ちゃんと写真も送ったではないか」
「まあね」
ヴァッカリオはそう言いながら、アポロニオの尻に手を伸ばし、やわやわと揉んだ。ズボン越しに、淑やかに息づく蕾を突く。アポロニオがそのむず痒さにくすくすと笑いながら体をよじった。
アポロニオがヴァッカリオの食を制限するのなら、とヴァッカリオもアポロニオの食を制限している。別にアポロニオばかりがヴァッカリオの体に対して独占欲を発揮しているわけではない。ヴァッカリオも、アポロニオの体には多大な独占欲を持っている。
ヴァッカリオがアポロニオに約束させたのは「自分以外の他者と食事をした際は、その食べ物は最短ルートで外で排出すること」だ。まあ、つまり、誰かと何かを食べたら、その後に下剤でも何でも飲んですべて出してしまえ、ということだ。このような無茶をヴァッカリオは通達したのだが、その言葉にアポロニオはむしろうっとりと頬を染めて頷いた。さすがに、上から出すのはもったいないのでもっぱら下から出させている。
「おいらは料理できないからねえ……かわりにこっちからお兄ちゃんの中を、おいらのものでいっぱいにしてあげる」
「んっ……楽しみにしているぞ、ヴァッカリオ」
下品な物言いに、アポロニオは心底嬉しそうに笑ってヴァッカリオの唇に自らの唇を寄せた。
※コメントは最大500文字、5回まで送信できます