内々で遊んでいた「ヴァカアポ暑中見舞い企画(ヴァカアポサマコレ)」に寄稿した作品です。1枚のはがきイメージで……というわけで、文字数をカットして1000文字に収めたものを寄稿しました。こちらはカット前の原文です。400字ほどオーバーしてました。
本日も快晴のオリュンポリスは輝かしい太陽の下、猛暑日を繰り広げている。暑さに注意せよと各フォースが熱心に広報とパトロールに勤しむ中、ヴァッカリオは暑くて暑くて――などいうこともなく、当然のように文明の利器に頼って涼しい部屋でごろごろとしていた。
一方のアポロニオは洗濯物を干していて、ベランダで太陽の光を一身に浴びている。やはり太陽神の化身だから、太陽に強いのだろうか、とヴァッカリオはその様子を見ながらぼんやりと思った。
洗濯物を干し終えたアポロニオは涼しいリビングに戻ってきて冷たい麦茶を飲み、一息。
「ヴァッカリオ」
「んー?」
短時間の洗濯物干しでも汗をかいたアポロニオは、汗をタオルで拭いながらヴァッカリオに声を掛けた。朝から涼しい部屋で休日を満喫していたヴァッカリオはだらりとした声で返事をする。
「少し出かけないか」
「え、こんな暑い時間に? 買い物?」
買い物に行くなら、アポロニオはいつも涼しくなった夕方付近に出かけている。熱中症に注意しよう! のポスターモデルを務めているアポロニオは自身も熱中症には十分注意して生活しているのだ。素晴らしき模範的にヒーロー。
だからヴァッカリオは不思議に思って尋ねた。そうすれば、アポロニオはどこかいたずらめいた、珍しいにんまりとした笑みを浮かべる。
「実は、近所のカフェに夏限定のスイーツが登場してな」
「へえ」
スイーツ、には正直ヴァッカリオは興味がない。まあお兄ちゃんが言うなら付き合ってもいいかな、と思う程度だ。
そういうわけで、二人は人工的に整えられた素晴らしい気温の愛の巣から灼熱地獄のアポロン区へと繰り出した。
「あっちぃ……そのカフェってどこ?」
「もう少し歩いたところに……いや、この暑さは厳しいな」
「ほんとだよ」
アポロニオもヴァッカリオも予想以上の熱気に顔をしかめながらもそもそと歩く。今年は異常気象そのもので、例年にない高温の日々が続いていた。政府も声高々に「日中の外出は控えよう」と広報するわけだ。
「それにしても、珍しいね、お兄ちゃんがこんな暑い時間に外に出るの」
「ん……まあ……」
言葉を濁すアポロニオに、ヴァッカリオは不審気に片眉を上げた。どうやら何か言いづらい思惑があるらしい。
そんなヴァッカリオの物言いたげな視線に気づいたアポロニオは、こほん、と小さく咳ばらいをした。暑さ……だけではない、羞恥に頬を赤く染める。
「これだけ、人が出歩いてなければ」
アポロニオはそっとヴァッカリオの手を取って、いわゆる恋人繋ぎ、の形につないだ。指の間に滲んだお互いの汗で、ぬるりと滑る。
「こうして、お前と出歩けるかと思って」
そう言ったアポロニオは、恥ずかしそうに目を伏せ、そして手を振り払おうとした。
もちろん、ヴァッカリオは、その手を逆につかみ取って恋人繋ぎをより深める。驚いたようにアポロニオは目を丸く開いて、ヴァッカリオを見上げた。
その瞳を覗き込むようにしながら、ヴァッカリオは笑みを浮かべる。
「お兄ちゃん、素晴らしい名案だね」
ヴァッカリオの思いが伝わったのか、アポロニオは恥ずかしそうに目を左右に揺らした後に、ゆっくり息を吐いて「……そうか」と呟いた。そして、ヴァッカリオの手を握り直す。
カフェまでの道は思っていたよりも近くて、すぐ真夏のお散歩デートは終わってしまった。
二人揃って夏の新作スイーツを楽しみながら「でも手を繋ぐにしても暑すぎる」「夏にも限度があるよなあ」と楽しそうに語り合ったという。
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ヴァカアポ、いちゃいちゃもして欲しいけど仲良し男兄弟らしくほのぼの(?)と語り合ってて欲しいところある
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