1&2月分Web拍手お礼SSまとめ - 9/10

クリスマスプレゼントにお兄ちゃんの手編みの……腹巻!をプレゼントされてしまったヴァのヴァカアポ

綺麗な包装紙に包まれたプレゼントをアポロニオに渡され、ヴァッカリオは許可を得てその場でバリバリと包装紙を剥いた。中から出てきたのは、毛糸で編まれた何か。

「久々に編み物をしてみたのだ、気に入ってくれると良いのだが」
「お兄ちゃんの手編み! 何なのかな~マフラー? セーター?」

はらり、と広げてみれば、それは四角いタオルの様な、筒。……筒? ヴァッカリオは両手をその筒の中に入れて広げてみた。うん、向こうではにかんでいるお兄ちゃんがかわいい。

「これは……」
「ああ、腹巻だ。よくヴァッカリオは夜中に腹を丸出しにして寝ているからな。それでは腹を冷やしてしまうと思って……気に入らなかったか?」
「えっ、そ、そんなことないよ!」

でもヴァッカリオ的には、マフラーとかセーターとか、それこそ手袋とか。そういう手編みモノを期待していたのだ。ふたを開ければ、まさかの腹巻。しかもディオニソスXIIイメージなのか濃い目の紫。

しかし、アポロニオの顔を曇らせるわけにはいかない。ヴァッカリオは口から出かかった言葉をぐっと押し込んで、嬉しそうにアポロニオに微笑んだ。何にせよアポロニオの手編みをもらえたということは、実際嬉しいことなのだ。

「じゃあ早速、寝るときにつけてみようかな」
「そうしてみてくれ。これでお前の腹が温かくなってくれれば、私は嬉しいぞ」
「ハハハ……そうだね」

でもこの紫色の腹巻を着用して寝室で、アポロニオを押し倒すというのは……なかなか締まらないな、とヴァッカリオはこっそり思う。

 

そのヴァッカリオの予感はバッチリ当たる……どころか、さらにそのワンランク上、を見せてくれた。

「お、お兄ちゃん、その腹巻き……」
「こ、これは……お前の分を作るときに、練習に、と思って作った自分用だ……不格好で、恥ずかしい出来だが捨てるのも忍びないだろう」

恥ずかしそうに言いながら、アポロニオは黄色い腹巻を撫でた。当然、ヴァッカリオも紫色の腹巻を着用している。明日は久々の休み。となれば、ウキウキで夜の営みを、というところで。

腹巻を着用したヴァッカリオとアポロニオ。ヴァッカリオはなんとなく、自分の中の性欲がしおしおと枯れていくのを感じていた。腹を撫でているアポロニオを見ていると……なんだろう、こう、お腹を温かくしてゆっくり寝て欲しい気分になる。なるほど、これがアポロニオも感じていた「お腹を温かくして寝てほしい」との気持ちか。

「……うん、お揃いの腹巻、いいよね」
「! そうだろうか! ふふふ、そう言って貰えると私も編んだかいがあるというものだ」
「おなか、あったかいしね。じゃあ寝ようか。久々の休みだし、明日の朝はゆっくりでいいよね?」
「予定も何もないし、目覚ましもセットしなくて良いだろう」

とは言え、アポロニオはきっと朝早く起きて、ヴァッカリオのために朝食を用意してくれるだろう。

ベッドに入り込んで毛布を肩まであげて、おやすみ、とお互いに囁いて目をつぶる。アポロニオの寝つきが良いのはいつもの事で、すぐに寝息が。そして、いつもはしばらく起きているはずのヴァッカリオからもすぐに寝息が。二人分の寝息が、休日前夜の寝室に満ちる。

アポロニオの愛がたっぷりこもった腹巻は本当にぽかぽかと温かく。ヴァッカリオは翌日の朝、さすがに……とアポロニオが起こしにくるまで、爆睡することができたという。

 

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