いつもWeb拍手ありがとうございます~!というわけで、8月分のまとめです。
全部ヴァカアポの健全(おおよそ)ほのぼの全10種。どれも短いです。ラグナログ後、GA2021前の話ばかりです。
彼シャツヴァカアポ。TLで唐突に彼シャツが流行った時に書いた。
ヴァッカリオの家に向かう途中、晴れ男のアポロニオにしては珍しく雨に降られてしまった。
慌てて走り出してヴァッカリオの家に飛び込んだは良いものの、アポロ二オは全身すっかりびしょ濡れ状態だ。
「はい、タオル。着替えはこれでいい?」
「すまないな、まさかあんなに降るとは……」
「ゲリラ豪雨ってやつかなぁ」
ヴァッカリオはアポロニオのリュックを拭いてくれている。アポロニオに断ってから中身を取り出して中までしっかり拭き上げる手厚いサービスだ。
その一方で、アポロニオは借りたタオルで顔を拭き服を脱ぎ。下着まで完全に水浸しで、これは後でヴァッカリオの家の洗濯機を借りるしかないな、とため息をついた。
ヴァッカリオに手渡された着替えをぺら、と広げる。シャツ一枚。……あれ?
「ヴァッカリオ、その、下着も貸してもらえないだろうか、そっちまで濡れてしまっていて……」
「あー……おいらもさあ、さっき干してた洗濯物濡らしちゃって。パンツの替えないんだよ」
「う……そ、そうか、ではズボンを……」
ヴァッカリオはそこで拭いていたリュックから顔を上げてアポロニオを見た。
「ごめん、お兄ちゃんに合うサイズのズボンがない」
「ぐ……それもそうか……」
体格差を考えれば仕方ないのだろう。アポロニオは客であり、タオルも貸してもらって洗濯機だってこれから貸してもらう側だ。これ以上、文句を言うわけにもいかない。
仕方なくアポロニオはヴァッカリオのシャツを一枚、頭を通して腕を通して、着た。着てしまった!
その様子を見ていたヴァッカリオが「計画どおり……!」と悪い顔で笑っていたことに、アポロニオは一向に気づいていない。ちょうど、シャツで視界が遮られていたので。
そういうわけで、無事に彼シャツアポロニオが爆誕した。
ヴァッカリオは自分が持っているシャツの中でも一番大きく、裾が長く、そしてゆったりとしたデザインのものを選んでアポロニオに渡したのだった。
おかげさまで、アポロニオの大切な下半身はギリギリ隠れているような気もするし、ちょっと裾が翻ればアポロニオのお兄ちゃん(意味深)がチラリと見えないこともないような気もする。
「ふむ、ずいぶんと大きいな……」
「そりゃね、おいらとお兄ちゃんのサイズ差を考えてよ。だからズボンなんて履いてもすぐズリ落ちちゃうよ」
「確かに……いや、思っていたより大きいな! ヴァッカリオ、実に大きくなったものだ……!」
「ああ、はいはい。成長期終わってからそんなに身長伸びてないけどね」
面倒臭いブラコンモードにスイッチが入りそうなアポロニオを適当にいなしてヴァッカリオはアポロニオにリュックとその中身を返した。
そこから、アポロニオがウキウキと無事だった食材を出して、これまた無事だったエプロンを身に着けるのをヴァッカリオはじっと見守る。
「彼シャツエプロン……最高かよ……!」
「ん? 何か言ったか?」
「ううん! 何も言ってないよ!」
黄色のエプロンをして振り返ったアポロニオがこてりと首を傾げてヴァッカリオを見る。ヴァッカリオはにっこりと笑みを浮かべてアポロニオに答えた。なにもやましいことはありません!
エプロンの裾はシャツと同じぐらいの長さで、アポロニオがぱたぱたとキッチンを駆けまわるとやっぱり見えそうで見えないような絶妙なチラリズムを発揮してくる。
全裸でも露出狂でもなく、このチラリズムがいいんだよね、とヴァッカリオは床にあぐらをかいてほんのり猫背になりながらアポロニオの後姿を見守った。
「お兄ちゃん、何か手伝おうか?」
「いや、まだ大丈夫だ。そのうち火を入れたら食器の準備をしてもらおうかな」
「わかった~。……ところでさ、お兄ちゃん、あんま足開くと……見えちゃうよ」
ヴァッカリオが全力でニヤつく顔を抑え込んで言ってやった。言ってやった!
見える……? と一瞬ハテナを飛ばしたアポロニオだったが、すぐにその意味を察して右手でエプロンの裾を抑えた。顔も見る間に真っ赤になる。
「みっ、見るな!」
「見てない、見てない! まだ見えてないからセーフ! っていうか、前ばっかり引っ張ると後ろが……」
「っ!!!」
慌てて、アポロニオは菜箸を持った左手で後ろの裾を抑える。
(いや~眼福眼福! この恥じらいがたまんないね!)
鼻の下を伸ばしまくったヴァッカリオだったが、アポロニオが本格的に怒り出す前に視線を逸らした。
「手伝い必要になったら呼んで、向こうでテレビ見てるから」
「……そうしてくれ」
どんなに裾を抑えて隠しても、白いふとももが隠しきれない。最後にちらりとヴァッカリオは兄に気づかれないように、シャツとエプロンからのぞく艶めかしいふとももをしっかりと堪能するのであった。
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