8月分Web拍手お礼SSまとめ - 3/10

お題ガチャより「べろちゅうするだけでイキぐせをつけられたアポ、イキぐせをつけた張本人のヴァ。」


 

腕の中のアポロニオの体がびくん、と跳ねた事に気づいてヴァッカリオは唇を離した。長々、アポロニオの口内をまさぐっていた分、飲み切れなかった唾液がお互いの口の端を汚している。

「お兄ちゃん?」
「んっ……」
「軽くイッた?」

そっとアポロニオの体を支えて、そう囁くように尋ねるとアポロニオはまた体を震わせながら、小さく頷いた。涙の膜が張った瞳が揺れ動いている。

今日はこれ以上はしないつもりだったヴァッカリオだが、今すぐアポロニオをソファに押し倒して服を剥きたくなる。その衝動をぐっと抑えて、アポロニオの頭を撫でて我慢した。自分とは違う、固い髪質を手で遊ぶと、それだけでもアポロニオが熱い息を吐く。

しばらくして、アポロニオは落ち着いてきたのかヴァッカリオの肩に頭を凭れかけてため息をついた。ヴァッカリオの太ももの上に乗る形で横抱きにしている状態だ。少しばかり、ヴァッカリオの腕が疲れてきたのは気のせいではない……が、こうやって甘えてくるアポロニオを見ればあっという間に元気になる。アソコももちろん元気になる。

いやいや、静まれ静まれ、とヴァッカリオは念じながら、アポロニオを抱き直した。

「なあヴァッカリオ……」
「ん、なに?」
「その……最近、こうやって、キ、キ、キ、キスをするだけで……ぅ……その……イッて、しまう、のだが……私は、異常、なのだろうか……」

手をもじもじとさせながら、顔を伏せてアポロニオがぼそぼそと言葉を紡ぐ。ところどころつっかえながらも言い切った後には、アポロニオは不安そうな顔をしてヴァッカリオを見上げた。

ヴァッカリオはめっちゃ真顔になっていた。というか、心頭滅却、明鏡止水の心に全力を傾けていた。

「ヴァッカリオ?」
「っ! だ、大丈夫だよ、それ全然、異常じゃないから! 普通のことだから!」

普通じゃないけど。普通じゃないけど、ヴァッカリオとアポロニオの間では普通の事だ。

アポロニオにディープキスを教え込んで、さらに同時にあちこち体をまさぐりまくってあんなことやこんなことを教え込んだ成果が、これ。

「そうなのか? し、しかし、この程度でこれでは……」
「その程度のことでこれがいいんだよ最高なんだよ」
「……???」

ぐっ、と握りこぶしを作って何やら熱くアポロニオに訴えかけるヴァッカリオ。アポロニオはその圧に押されて流され始めている。このままでは、またアポロニオが間違った大人の階段を上ってしまう!

「キスだけでイケる癖、いいと思うんだ……」
「……いいのか???」
「いいよね、男のロマンだよね。ねえお兄ちゃん、そう思うでしょ?」
「いや、別に私はそう思わないが」

残念ながらアポロニオに男のロマンは伝わらなかった。ヴァッカリオの語りを、きょとんとした顔で聞いている。

「とにかく。とにかく、お兄ちゃん、これは普通の事だしこれからもキスでがんがんイこうねイキグセつけまくろうね」
「っ! う、そ、それは……うぅ……」
「大丈夫大丈夫、おいら以外とキスしなければいいだけだし。ねえ、だめ?」
「だ、だめじゃないぞ!!」

最後の一押しでヴァッカリオが甘える様におねだりをすれば、アポロニオはそれまで感じていた一人の男として「キスだけでイッてもいいのか?」という非常に大切な悩みを頭から一瞬で吹き飛ばして、兄としてヴァッカリオの前で胸を叩いた。そんな悩みより、ヴァッカリオのおねだりの方が重要である。

「さすがお兄ちゃん!」
「ああ、お兄ちゃんに任せなさい。大丈夫だ、ヴァッカリオは何も心配しなくていいぞ」
「やったあ! じゃあさっそく復習しよ!」
「えっ、ちょ、まっ……んんっ!!」

この後、アポロニオは復習と称して延々ディープキスを仕掛けられる羽目になり、イキまくったのであった……。結局「明日のために今日はヤらない」とはなんだったのか、とぐったりしたアポロニオはソファに寝そべりながら臍を嚙んだという。

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