8月分Web拍手お礼SSまとめ - 6/10

8月2日、バニーの日?パンツの日?


 

「ヴァッカリオ! 今日は8月2日、バニーの日だ! パンツの日だ!」
「だからってどうなのそのカッコ!? ねえ!?」

ドヤ! と腰に手を当ててヴァッカリオを見るアポロニオ。その姿はバニーでパンツだった。つまり、ウサギの耳を模したカチューシャを着けてトランクス一枚。なぜだろう、下着姿なのに全く興奮できない。ヴァッカリオは思わず遠い目をした。

「安心しろ、ヴァッカリオの分もあるぞ!」

そう言ってアポロニオはサッとウサ耳カチューシャを取り出した。白い毛でピン!と立ったアポロニオのウサ耳と違って、茶色い毛で垂れ下がったロップイヤーのカチューシャ。

「ヴァッカリオにはこちらの方が似合うと思うのだがどうだろうか」
「どうもこうもないよ!? 誰だよお兄ちゃんに変なこと吹き込んだヤツ!!」
「クリュメノスだ!」
「あいつか~~~~~~~~~!!!!」

ヴァッカリオの脳裏にニヤついた顔をしたハデス神が浮かんだ。今度こそ本当に滅ぼしてやろうか、と思いつつ、カチューシャをもって期待に満ちた眼差しを向ける兄を見下ろす。うわあ、と引いた顔をしてもアポロニオには全く通じない。

「ヴァッカリオ、さあ、痛くないから……お兄ちゃんが着けてやろうか?」
「……あーもう! 兄孝行兄孝行! いいよ自分で着けるし自分で脱ぐよ!!!!」

ヴァッカリオはヤケクソになって服をババババッ!と脱いでスチャッ!!とカチューシャを装着した。何が悲しくて休日の朝からこんなアホみたいな格好をしなければならないのだろう。

そもそもバニーの日だって言うならお兄ちゃんがバニーガールのコスプレでもするべきだ、とヴァッカリオは内心で嘆いた。大いに嘆いた。むしろ先に用意しておかなかった方が悪いと言われたらそれまでだ……。

来年は絶対にバニーガールのコスプレを用意しよう。ついでにパンツの日だからってめちゃくちゃエッチでスケベな透け透けフリルレース紐パンも用意しよう。

ぐぬぬ、とヴァッカリオは歯噛みしながら。カチューシャを着けてパンツ一丁になった。これでアポロニオが喜んでくれるなら安いもの。そう思う事にする。

「似合うぞヴァッカリオ!」
「こんなの似合っても嬉しくないんだけどなあ」
「さ、さ、記念撮影を……」
「ちょっと待って!? 写真に残すのはアウトじゃない!?!?!?」

ヴァッカリオは大いに慌てた。こんな写真が万が一流出したら大問題である。そこまで顔割れしていない自分はとにかく、アポロニオの方は割れてるどころか認知度99%の偉大なるヒーローアポロンVIだ。そっくりさんだ!では済まされない。

アポロニオはヴァッカリオの慌てように、きょとんとした顔をして小首をかしげた。

「?? この写真をSNSに投稿すれば市民が喜ぶ、とクリュメノスにアドバイスを貰ったのだが」
「あの野郎!!!!!!」

万が一どころが一が一流出するところだった。ヴァッカリオは必死にアポロニオに訴えて、なんとかSNSへの投稿だけは止めてもらう。冗談ではない。ヴァッカリオは茶色のウサ耳をぷらぷら揺らしながら歯ぎしりをした。

「ふむ……ではアルテミスVIIIに……」
「なんでそうなるかな!?」
「ああ、ゴッドナンバーズにも新顔が増えたからな。いつまでも我々、上の世代がギスギスしているのも悪かろう。アルテミスVIIIとももう少し、親密になれたらと……」
「……一応聞くけど、誰に言われた?」
「クリュメノスだぞ!」
「っ! っ!! っ!!!!!!」

大変品のない悪態罵詈雑言がヴァッカリオの脳内を駆け巡った。口に出さなかったのを褒めてもらいたい。もはや今度来たら、ではなく、明日あたりに冥府に襲撃を掛けよう。そう決心してから、アポロニオの肩を掴む。ピン!と立った白い耳が衝撃で前後に揺れた。

「お兄ちゃん。たぶんアルテミスVIIIがびっくりして心臓止まっちゃうから、送っちゃだめだよ」
「なんだと!? それは……良くないな」
「うん、良くないよ本当に良くないよ、あとついでに写真他の人に見せたらおいらの心臓も止まるから」
「なんだと!?!?!?!? ヴァッカリオ、大丈夫か! どうした! 病院に行くか!?!?!?」

アポロニオは持っていたカメラ機能持ちの端末を放り投げてヴァッカリオに抱き着いた。そのままぺたぺたと裸の上半身を触る。そしてアポロニオの白いウサ耳が目の前でふわふわと揺れていて……ヴァッカリオは襲う事を決めた。

そりゃあ可愛い茶色のロップイヤーカチューシャを着けてたって、ヴァッカリオは男だ狼だ。美味しそうな獲物が無防備に目の前にいるなら、襲わずにはいられない。据え膳ならぬ据えウサ兄だ。

「うっ急に股間が痛くなってきたから寝室で寝たいなあ」
「わかった! 水を飲むか? 何か痛み止めでも……」
「ううん、お兄ちゃんに看病して欲しい……」
「!! ああ! お兄ちゃんに任せなさい、後はお兄ちゃんがやってあげよう」
「やったあ」

言質は確実に取った! 勝った! と言うわけで、無事にウサ兄は寝室でしっぽりずっぽり看病させられたという。

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